第十八章

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その後二人は、空白の期間を埋めるように互いを敬い、慈しみ、変わらぬ愛情を持って生涯を共にしましたとさ。 おしまい。 なんてのは……、おとぎ話の世界だけであって。 現実はそう上手くはいかない。 「ただいっ……!??」 「てめぇ……、遅ぇんだよ!!!」 「ま……」 「この靴下の片方どこやった!??」 仕事を終えて帰宅した私が、玄関の扉を開けるなり廊下にまで響いた藤真の怒鳴り声。黒の靴下を片手に鬼の形相だ。 「何よ、急にっ……」 心臓止まるかと思った……。 「だから……、この靴下の片方がねぇんだよ!!!」 ……そんな事でそこまで怒りますか??
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