第十五章 #2

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でも、ちょっと…… 嬉しくてにやけてしまう自分が確かにここにいて。 顔が見えない状況で本当に良かった。 「じゃあ、言ってみなさいよ。あんたのタイプっていうものを」 「……巨乳で、美人で、スタイル良くて、清楚で、品があって、控えめな女」 ほんの少しの間を空けてから聞こえてきた彼の返答に、私は思わずぷっと吹き出した。 あまりにも幼稚すぎる……! 「バッカじゃないの!?そんな人いるなら見てみた……」 「あと、もう一つ。酒に飲まれて記憶を無くさない女」 私の笑い声を遮るようにして、藤真が付け足した言葉に、缶ビールを傾けかけた手が止まる。 「……まだ、それ根に持ってたの……」 「別に。深い意味はない」 ……いやいや。ピンポイントでビシッと私を狙ってきておいてよく言うよ。
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