257人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
でも、ちょっと……
嬉しくてにやけてしまう自分が確かにここにいて。
顔が見えない状況で本当に良かった。
「じゃあ、言ってみなさいよ。あんたのタイプっていうものを」
「……巨乳で、美人で、スタイル良くて、清楚で、品があって、控えめな女」
ほんの少しの間を空けてから聞こえてきた彼の返答に、私は思わずぷっと吹き出した。
あまりにも幼稚すぎる……!
「バッカじゃないの!?そんな人いるなら見てみた……」
「あと、もう一つ。酒に飲まれて記憶を無くさない女」
私の笑い声を遮るようにして、藤真が付け足した言葉に、缶ビールを傾けかけた手が止まる。
「……まだ、それ根に持ってたの……」
「別に。深い意味はない」
……いやいや。ピンポイントでビシッと私を狙ってきておいてよく言うよ。
最初のコメントを投稿しよう!