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「これってどうやって作るの……?」
カッターマットの上に一輪残っていた小さな菜の花を、指先で摘まんで目の前にかざす。
よく見てみると、細い茎の先にぽやぽやっとした黄色い綿のような繊維がくっついているのがわかった。
「専門店でちゃんと売ってんの。なんか、しっくり来ないなって時はその辺に落ちてる枯木とかでも代用出来るし、ジオラマとかもっと本格的な物になると……」
「っ…………」
藤真が子供みたいな無邪気に笑い、身ぶり手振り夢中になって説明してくれるもんだから
私の視線は小さな花を通り越して、彼の横顔へと移動する。
生き生きして、楽しそうで
私の入り込めない世界だけれど……
彼の次々に変わる表情を……、ずっと見ていたいと思った。
「ああっ……悪い。こんなん聞いてもつまんねぇよな……」
ハッとしたように一瞬息を止めた藤真が、気恥ずかしそうに髪をクシャリとかいた。
目を伏せて、頬をほのかに染める彼が可愛く見えて、クスッと小さな笑みが溢れた。
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