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「ひより……」
「那緒ちゃん……?」
挙式間近に迫る花嫁の控え室。
鏡を背にしてうつ向きがちに振り向いたのは、ウェディングドレス姿のひより。
ポォッと頬を赤く染め、
「ど、どうかなぁ……?」
と、恥じらうその仕草に……
女の私でさえキュンッと胸が高鳴った。
「す……凄い、綺麗!!ヤバイヤバイ!!ひより……、めちゃくちゃ似合ってるよ!!」
「本当にっ!?私……今、すっごく緊張しちゃってて……本当にこれでいいのかなとか、圭くんに引かれたらどうしようかなとか……。でも、でも……良かったぁ……。那緒ちゃんにそう言って貰えて安心したっ……」
目からポロポロと大粒の涙を流したひよりが、私の両手を握り締めるなり膝から崩れ落ちる。
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