第二十章

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「ひより……」 「那緒ちゃん……?」 挙式間近に迫る花嫁の控え室。 鏡を背にしてうつ向きがちに振り向いたのは、ウェディングドレス姿のひより。 ポォッと頬を赤く染め、 「ど、どうかなぁ……?」 と、恥じらうその仕草に…… 女の私でさえキュンッと胸が高鳴った。 「す……凄い、綺麗!!ヤバイヤバイ!!ひより……、めちゃくちゃ似合ってるよ!!」 「本当にっ!?私……今、すっごく緊張しちゃってて……本当にこれでいいのかなとか、圭くんに引かれたらどうしようかなとか……。でも、でも……良かったぁ……。那緒ちゃんにそう言って貰えて安心したっ……」 目からポロポロと大粒の涙を流したひよりが、私の両手を握り締めるなり膝から崩れ落ちる。
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