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よっぽど気持ちが張り詰めていたのだろう。
繋いだ彼女の手は僅かに震えていた。
「大丈夫。こんな綺麗な花嫁さん見たら……、圭ちゃんもっとひよりを好きになるよ?」
「う、ん…………」
「ほら、ひより。ドレスが汚れるから立って?……せっかくのメイクも……」
ポーチからハンカチを取り出し、ひよりの目尻を濡らす涙を拭き取り
「うん。やっぱり綺麗。大丈夫!!」
と、肩を軽く叩いて気合いを注入。
「……那緒ちゃん……。ありがとぉ……」
やっと笑顔を浮かべたひよりの目尻がクタッと垂れて……、押し出されるようにしてまた涙が一粒。
昔とちっとも変わらないその表情に……、私もつられて笑った。
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