第二十章

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すっかり元気を取り戻したひよりに、また後でねっと、手を振って控え室を後にした。 「綺麗だったね、ひより」 「本当。圭にはもったいない……」 「ふふっ……、まだ言うの?」 なんだか、娘を嫁に出すお父さんみたいだな…… なんて考えながら、教会へと続く廊下を二人並んで歩いた。 千春とはちょこちょこ連絡は取り合っていたものの。食品会社のキャリアウーマンとしてバリバリ働く彼女とこうして顔を合わせるのも、何年か振りだったりする。 「そういえば……まだあいつら見てないんだけど。那緒、知らない?」 「え……?あいつら?」
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