第二十章

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「決まってるじゃない。矢野と藤真。あの二人がどんな男に成長したか気になってんだよね~」 「ああっ……。矢野くんは多分来られないんじゃないかな……?仕事の関係で海外に行ってるから……。藤真は……もう、来てるはず」 なんとなく、口ごもってしまう私に千春はふぅんとだけ言って前方に目を向けた。 教会の入り口では、礼服に身を包んだ来席者達が、ゾロゾロと列を作り渋滞している様子。 仲の良い友人や、身内だけでひっそりと……と、圭ちゃんに聞いていたけれど。 ざっと見ただけでも三、四十人。 その中に彼の姿は見えなかった。
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