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「いないじゃない……、まさか寝坊?」
「っ……どうだろう……」
教会の中へと入り、木製の長椅子の前から四列目に座った。
千春はさっきからキョロキョロと辺りを見回して藤真を探しているが、私の中には確信めいたものがあった。
彼は……今日ここには来ない。
『……無理だったんだよ、私達……。最初から』
昨夜、私がポツリと溢した言葉に藤真は何の動揺も示さなかった。
ただ、ジッと私を見つめた後
『……わかった』
と、冷静な声で一言言って背を向けた。
それが……、彼との最後の会話。
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