第二十章

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こんなんじゃ駄目だ……。 今日はひよりの晴れの舞台なんだから! パンパンっと両頬を叩いて深呼吸する私に、千春はそれよりも……と、口を開きバージンロードを挟んだ向こう側の席を指さした。 「ほらほら……、いたわよ!」 「ええっ……!?」 体を前のめりにして、彼女の指の先を追い掛けると……、 姿勢良く椅子に腰をかけるスーツ姿の男性が、真っ直ぐに祭壇の方を見据えている。 クイっと眼鏡を直す仕草に……、例えようのない懐かしさが込み上げた。 嘘…… 「…………矢野……くん……」
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