第二十一章

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四季折々の花が咲き誇るガーデンに、教会のベルが鳴り響く。 白の外壁に映えるフラワーシャワー。 その中央の階段を本日の主役二人が腕を組み、一段一段と歩みを進める。 「おめでとー!!」 「お似合いだよ!お二人さん!」 恥じらいながら微笑むひよりとは対照的に、圭ちゃんは顔をクシャクシャに満面の笑みでこちらにブイサイン。 さすが。 注目される事には慣れている。 「見ているこっちが恥ずかしくなるな」 「うんうん、同感……って、え……?」 二度三度頷き返してから、その低い声がした方を向くと いつの間にか傍らに立っていた矢野くんが、私を見下ろしふっと小さく笑った。
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