208人が本棚に入れています
本棚に追加
「久し振りだな、那緒」
「う、うん……」
「ふっ……化け物でも見たような顔をするな」
「いや、こっちに帰って来てるなんて知らなかったから……。てっきり……」
久し振りに見る矢野くんは以前とほとんど変わらない。しいて言うならば、髪が伸びた事と、体格が少しだけガッシリしたような……?
「ちょうど、一時帰国の予定が早まったんでな」
「そうだったんだ……」
なんとなく彼と目を合わせることが出来ず、ふいにうつ向いた私の頭上に
それに……と、矢野くんが意味深に言葉を付け足した。
「ここに来れば……、那緒にも会えると思ったから」
「っ……!?」
あまりにもサラッと言うもんだから、私は熱くなる頬を隠すのも忘れ、目を見開き固まった。
最初のコメントを投稿しよう!