第二十一章

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すでに、カウントダウンは始まっている。 「3、2、1……」 その合図で、ひよりの手から空高く放り投げられたブーケのリボンが風にはためき眩しく光った。 誰よりも早くそれに反応を示したのはもちろん千春。 元バレーボール部という経験から、彼女はブロックの要領で高く飛び上がり、指先にブーケを捉えた。 「っ…………」 間に合わなかったか……。 と、よろめきかけたその時 千春の指先で一度バウンドしたブーケが急な方向転換。 ポスッと私の腕の中に飛び込んできたのだ。 「ええっ……!?」 しばしの沈黙の後、ワァッと歓上がった歓声と拍手。 千春が恨めしそうにこちらを見る中、当の私はブーケを抱き締め呆然とするばかり。 信じられないっ……!!
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