第二十一章

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その後、陽射しがポカポカと芝生を照らすガーデンでビュッフェスタイルの軽食が振る舞われた。 「もう……!私の手かすったのにっ……!!」 「ちぃちゃんは那緒ちゃんの結婚式の時に、貰えば良いじゃない。ね?」 お色直しを済ませたひよりは黄色のミニドレスを身に纏い、そのイメージ通りひまわりのような優しい笑顔で千春を慰めている。 「那緒の結婚式なんて待ってたら私お婆ちゃんになっちゃうじゃん……!」 「ちょっと、それどう意味よっ……!?」 「そのまんまの意味よ!!」 否定しきれない所が、苦々しい……。 その時、顔を突き合わせる私と千春の間に割って入ってきたのは新郎の圭ちゃん。 白のタキシード姿がどことなくぎこちないが、本人は至って涼しげな面持ちだ。 「もう……、僕の花嫁さん独占しないでくれるかなぁ?」 「ふふっ……、圭くんったらぁ」 圭ちゃんがひよりの腰元を引き寄せ、寄り添う。 顔を見合わせてキャッキャ、ウフウフ笑う二人の回りにはハートマークが乱舞していた。
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