第二十二章

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「…………くしゅっ」 ううっ……、汗が引いた途端一気に冷えてきたかも。 その時、 肩にフワリと掛けられたのは藤真のスーツの上着。 彼の甘い香りが私を包む。 「んな、薄着してっからだ、馬鹿」 「っ…………ありがと」 藤真が優しいなんて……、ちょっと気味が悪いけれど それでも……、嬉しかったり。 「ああっ……」 人通りも少なくなってきた路地、ふいに目についたのは焼き鳥屋の赤ちょうちん。 店先からはタレの焦げる匂いがプンプンと漂っていて……、昼間からフレンチやイタリアン等……お洒落な食事ばかりだったせいか……、妙にそそられる。 「…………」 「もう、一軒行くか」 「えっ……いいの!?」
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