第二十一章 #2

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元の場所に戻り、私達は噴水前の石段に腰を下ろした。 向こう側では圭ちゃんとひよりがあちらこちらに挨拶に回っていて、その度に沸き上がる笑い声。 朗らかで……、幸せがそこら中に満ちている。 「……いいなぁ……」 ポツリと溢した一人言。 直ぐに隣から矢野くんのクックッと渋るような笑い声が聞こえた。 「藤真とは……そんなに、上手くいかないのか?」 「えっ……!?矢野くん、知ってたの……?」 「ああ。風の噂でな」 海外にまで届く風の噂って……
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