第二十一章 #2

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「今、矢野くんとなんの話してたの……?」 「関係ねぇだろうが」 「っ…………」 ふてくされたようにフンッと鼻を鳴らした藤真が、さっきまで矢野くんがいた場所に乱暴に腰を下ろし……、 感情を隠すみたいにして口元を手で覆い、足を組んだ。 その視線はどこか遠くの方。 「っ…………」 THE俺様図の完成に、私は笑いたくなる気持ちを必死で堪えた。 聞きたい事は沢山あった。けれども、これ以上傍若無人な王の機嫌を損ねる言動は極力避けたい。 少なくとも……今日は。
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