第二十一章 #2

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第二十一章 #2

その声のした方に向き直ると、そこに立っていたのはまたしても矢野くんだった。 「……なんか……、あの二人のラブラブっぷりにあてられちゃって」 「俺もさっき同じ目に合ったよ」 「……ふふっ。もう、お腹いっぱいって感じだよね」 「確かにな。那緒……少し歩かないか?」 そう言った矢野くんが指をさしたのは、噴水から繋がる浅い水路を挟むようにして、敷地の奥の方まで続いた小道。 その両脇の花壇を、色とりどりの花達が可憐に彩っている。 「えっ……、でも……」 躊躇う私を一人置いて、彼はスタスタと先に歩き始めてしまった。
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