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第二十三章 #2
藤真に薄手の毛布を掛けてから、ソファ回りに散らばった荷物を片付けていると……
―――――――ヴーヴーヴー……
定期的に繰り返すバイブ音。
それは、藤真のスーツの上着ポケットから聞こえていた。
「っ………………こんな時間に……?」
リビングの時計を見上げると、針は二時半を差している。
仕事場からの緊急な着信だったら大変だ。
私は胸ポケットから未だにバイブ音を繰り返す携帯を取り出した。
「……藤真?電話だよっ……」
「んん…………」
小さな唸り声を上げた藤真は、煩わしそうに眉間にシワを寄せてそっぽを向く。
起きてくれそうにもないな……。
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