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相変わらず艶のある美しい髪の毛を、サラリかきあげた柊子が、外の景色に向けていた視線を私に移す。
その目に宿る警戒の二文字。
睨んでいる……という訳では無さそう。
「…………で?こんな所に呼び出して何よ」
真正面に向かい合う私達の間を隔てるのは、木目張のインテリアテーブルたった一つ。
手を伸ばせば直ぐに、彼女の美しい頬に触れられる距離だ。
「……わかってて来てくれたんだと思ってた」
アイスコーヒーのグラスをテーブルに置きながら話す私の声が嫌味っぽくなってしまったのは、タイトスカートから伸びる長い足を組み替えた柊子のその仕草がわざとらしく見えたから。
何をしたって絵になる彼女。
それは久し振りに会っても変わらない事実。
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