第二十五章

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「ねぇ……、柊子」 「ふふっ……。何?」 「……リコッタと、チョコレート。どっちのパンケーキが美味しいかな?」 「………………は?」 私がメニューを開き差し出すと、柊子は元から大きな瞳をさらに見開いて声を漏らし すかさずニコッと笑顔を浮かべた私を、呆然と見つめていた。 「そんな事言ってる場合?アンタ今がどんな状況かわかってるの?」 「ごめん。たぶん、そんな様な話されるんだろうなって思ってたから」 「なっ……」 「全部、全部信じられない。というか、ありえない。だって……、藤真がそんな器用なマネ出来るとは思えないから。むしろ、むちゃくちゃ不器用な人。それは……、柊子だってわかってるんじゃない?」
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