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しばらく、うつ向いていた柊子がフルフルと肩を揺らしながら顔を上げ
「……はぁーあ。つまんない。もうちょっと動揺してくれると思ったのにな」
吹っ切れたように、クックッと笑みを浮かべながらまた髪をかき上げた。
「本当……、意地悪な所は変わらないね?」
「まぁね。でも……、アンタは変わったわね。藤真の言っていた通り。強くなった」
「あははっ……、ありがとう」
昔の私なら……、泣いてとっくに逃げ出してたのかな。
「お察しの通り。藤真とは偶然街で出会しただけよ。彼ったら他人行儀に律儀な挨拶だけして、急いでるからってさっさと行っちゃった。電話したのは……そうね。つい、懐かしくて」
「本当に……それだけ?」
「……まだ、愛してるから……なんて、つじつま合わせしたってしょうがないでしょ?」
「うん。例えそれが本当でも……、絶対に譲らない。」
大きく頷いた私を見て、柊子は呆れたように目を細くして笑った。
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