第二十五章

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「カフェで……お茶してました」 「誰と」 「柊子……と」 「……あ?てめぇ、適当なデマカセ言ってんじゃ……」 慌てて持ち上げたお土産の紙袋。 これが、証拠になるかどうかはわからないけど。話の信憑性は増すでしょう。 「っ……マジで言ってんの?」 「だから、そうだってば……」 「んだよ……、俺はてっきり……」 「……へ?てっきり何?」 勝手に出掛けた事を怒ってるんじゃないの……? 力が抜けたようにガクッと顔を下げた藤真の耳が赤い。 「うわっ……、もしかして……矢野くっ」 「うるせぇな!!黙れ!!」 本当に私の好きな人は……、どこまでも心が狭い。 そんなの、おかしくて笑っちゃうじゃん。
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