第二十五章
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仏壇に線香を上げ終えると、藤真の咳払いを合図に重々しい空気が部屋中に立ち込めた。 「那緒。ここ、座って」 「え……?」 「いいから」 静かに話す藤真が自らの隣を指し示す。疑問は山ほどあったが緊迫とした雰囲気に飲み込まれ、私は言われるがまま畳に膝を着けた。 真正面には同じく正座をするお父さん、その背中には満面の笑みを浮かべる母の写真。 「っ…………」 この状況は……、一体……。
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