第二十五章

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「…………」 ムッと口を閉ざしたままのお父さんは、さほど驚いてもいない様子。 何もわかっていないのは……、私だけ。 「ちょっ……、ちょっと待ってよ!?私、なんにもっ……」 「なんだ……。那緒は快諾してないのか」 あわてふためく私に、お父さんがおやっと眉を潜める。 すかさず顔を上げた藤真が私を睨んだ。 空気を読めよ そんな意味合いを込めて。 「え……いや、そういう訳ではないけど………」 「けど……?俺とじゃ不服だって言うのか」 「……そんな……、滅相もございません……」 鋭い眼光を浴びせ続ける藤真に押し切られ、私はフルフルと首を横に振った。 こんなプロポーズ……、ありですか……。
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