第二十五章

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ふんっと顔を反対に背けた私の小指に、藤真の小指が僅かに触れた。 その動作が三回。 機嫌でもとってるつもりなんだろうか わかり辛いったらありゃしない。 「何よ」 「………………っ」 掠め取るように乱暴に握られた私の左手。 彼の大きな手の平から、トクントクン……と、小さな鼓動と温もりを感じる。 ああ……、やっぱり好きだなって思い知らされるというか 怒っていた事なんてどうでも良くなってしまうからズルい。
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