第二十五章

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ふと、空を見上げると 夕日に染まるオレンジの空。 細長い雲が向こうの方へと流れてゆく。 「雪っ……」 「はっ……?この時期に降る訳ねぇだろ」 「そうじゃなくて……」 ……思い出したの。 粉雪が舞い降りるこの道で、藤真を想って泣いたあの日の自分を。 それが丁度、この道だった事。 でも……、あの時は直ぐ雨に変わっちゃったんだっけな……。 十年も前だっていうのに……、まだ覚えてるなんて。
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