第二十四章

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懐かしい夢を見た。 『俺……、那緒を貰うから。いいよね?』 当時13歳。 少年野球の練習をサボって、その日の放課後一目散に駆けつけたのは病院。 白で統一された病室で、那緒の母親はベッドに腰かけ外の景色を眺めていた。 スライド式の扉を勢いよく開けた俺に、彼女は何事かと目を見開いてそして直ぐに笑った。 オレンジ色の西日にも負けない程、眩しくて……優しい笑顔だった。
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