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ベェッと舌を突き出して、顔をしかめて俺を見下ろした那緒の母親。
『……なんだよ、それ』
大人気ないだろって思うと同時に、悔しくて泣きたくなった。
いいよって
言って貰えるとばかり思ってた。
『フフッ。どうしても……って、言うなら誠意を見せなさい』
『誠意……?』
『まず、好きな所を最低十個はスラスラッと言えなきゃ。レディーに対して失礼じゃないかしら?』
『っ……』
小さい頃から、那緒の側にいる事が当たり前だった俺にしてみれば
どこが、なにが
そんな理由一つも思い浮かばなくて。
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