ふたり

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君は僕のお姫様 けれど僕は 何にも持たないダメダメ王子 テーブルに雑に投げ出した貯金通帳 残高を見た君の表情も溜め息も シュミレーションはバッチリだけど シュミレーションは最悪だから チクショウよりバカヤローより ありがとう、だなって目を閉じた あー、会費制の結婚式とかよくなーい ウェディングケーキとか作っちゃうかなー 君の掌が僕の袖口に触れて ちょっとだけゆらゆら揺らす ぐしゃぐしゃの顔の笑顔 チワワみたいなうるうるの瞳から パラリパラリとこぼれた雫 いいの?…って絞り出す言葉に ねぇ……、って言われて 胸の中の湖に 綺麗な綺麗な音を響かせて 涙の雫で出来た王冠を 僕に授けてくれたんだ 幸せって二人で決めなきゃなんだ ねぇ、ずっと一緒にいたいの 幸せにしたいんだ 幸せだよ その一言が魔法みたいだ 幸せになろうよ 二人の二人の愛溢れる あたたかな未来を……
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