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「いつか、こんなステージで演奏できたらいいなぁ、とは思うけど、初心者に毛が生えた程度だからなぁ。」
「俺だって、そんなに上手くはないですよ。」
クスクス笑いながら、優しい目で俺を見る。
「何言ってるんだい。この前の演奏、すごかったじゃない。」
あ。そうか。奏多さんも、あの時いたんだっけ。
「すごくないです。俺じゃなくて、ヨージとかシノがすごいだけで・・・」
褒め殺しみたいで、恥ずかしくなって、俯いてしまう。
でも、本当にすごいのは、あいつらだし。
「そんなことないよ。」
あれ。
さっきまでと声のトーンが違・・う?
ハッとして顔をあげると、真剣な眼差しで俺を見下ろしている。
"奏多さんって、背が高いんだ・・・。"
って、関係ないことが頭の中をすり抜けていく。
「きみも、十分上手いよ。俺が羨ましいって思うくらい。」
そう言って、奏多さんは俺の頭を軽く撫でた。
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