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「おお、タカトシくんだっけか。」
タバコをくわえながら、俺の姿を見つけた須賀さんは、ニコニコしながら、パイプ椅子を勧めてくれた。
「すいません、急に来ちゃって。」
「いや。冴に用?今日は、あいつ、来ないけど。」
そうなんだ・・・と思いながら、フロアから聴こえてくるざわめきと音楽に耳を傾ける。
「まだ、迷ってるの?」
俺の顔をじっと見つめる須賀さん。
「・・・正直、自信ないんですよね。」
須賀さんの目を見ることができずに、ステージのほうを見る。あそこに、俺は立っていいんだろうか。
「そんな大げさに考えなくてもいいのに。」
大げさにも考える。
だって、あの姉貴をドラマーに据えるってことは、それだけ期待もされるんだ。
表情が出にくいと言われる俺だって、やっぱりビビる。
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