第2章

14/14
前へ
/74ページ
次へ
トクン。 あれ? 「もっと自信持ちなよ。」 "な?" 奏多さんは、すごく優しい笑顔を残して、持ち場に戻っていった。残された俺は、なにも言えず、ただ見送るだけ。その背中を見送りながら、自分の心臓の動きを意識してしまう。 トクトクトクトク・・・・ なんで。 こんなに、跳ねるように動くんだ? 胸に手を当てながら、去っていく背中に目が離せなくなってる自分に気づく。 そして、他の人からの言葉よりも、奏多さんの言葉が、なぜか俺には大事なことに思えた。 あの人の言葉が、意気地なしな俺の背中を押してくれた。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

204人が本棚に入れています
本棚に追加