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トクン。
あれ?
「もっと自信持ちなよ。」
"な?"
奏多さんは、すごく優しい笑顔を残して、持ち場に戻っていった。残された俺は、なにも言えず、ただ見送るだけ。その背中を見送りながら、自分の心臓の動きを意識してしまう。
トクトクトクトク・・・・
なんで。
こんなに、跳ねるように動くんだ?
胸に手を当てながら、去っていく背中に目が離せなくなってる自分に気づく。
そして、他の人からの言葉よりも、奏多さんの言葉が、なぜか俺には大事なことに思えた。
あの人の言葉が、意気地なしな俺の背中を押してくれた。
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