第3章

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高校最後の夏休み。 ヨージが予備校の夏期講習に通い始めた。 俺も通わないとまずいか、と思いつつ、まだいいか、とも思ったり。シノも俺も、模試では志望の大学は合格圏内の結果が出てるから、今のまま現状維持できればいいんじゃね?とか話してはいる。 今日もヨージは予備校に行って、そのままライブハウスに行く、と、連絡があった。 奏多さんから、背中を押されてから、俺はがむしゃらに練習した。 ヨージやシノみたいに器用じゃないから 努力するしかない。 でも、その努力は無駄ではなくて、あいつらと一緒に音楽ができる、そう思えるくらいには上手くなった、と思ってる。 そして。 あの日の、心臓の音がなんなのか、気づきたくなくて 俺は逃げた。
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