第1章

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幼馴染のヨージと、中学からよくつるんでたシノと一緒に、バンドをやり始めたのは高校に入ってから。 姉貴の影響もあって、ずっとギターの練習だけはしてたけど、誰かと一緒に演奏する、なんてことまでは考えていなかった。 小さい頃からピアノを習っていたヨージが、オリジナルの曲を作って録音したものを聞かせてきた春休み。 こいつの曲、演奏してみたい、と、強く思った。 たぶん、姉貴のライブハウスでの姿を見たのことも、俺の背中を押したかもしれない。 「うちの高校、軽音部あるじゃん。とりあえず、そこ入ろうぜ。」 「・・・完全に姉貴の後輩になるってことだけどな。」 そう。 姉貴は、うちの高校の卒業生・・・で、女のドラマーとして有名人だった。 年はだいぶ離れてるけど、いまだにその存在はレジェンド扱い。その弟、という期待をされるのでは、と思うと、少し憂鬱だった。
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