第3章

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「・・・シノ、近づくな・・・」 今まで聞いたことがないくらい冷たい声。 いつもは物腰の柔らかい優しい感じで、どんな時でも怒りのような感情なんかないんじゃないかって思うくらいなのに。 彼の声に、俺は戸惑った。 「お、おっと!奏多さん、ちわっす!」 シノは、奏多さんの声が違うことに違和感は感じないのか、いつも通り。 「ちわっす・・・」 俺の戸惑いなど気づかれないように、できるだけいつも通りに挨拶をする。 それでも、二人の関係性が気になるわけで。 「瀬尾って、奏多さんの妹なんだってさ」 奏多さんたちの後ろから、ヨージが現れてそう告げる。 この二人が兄妹? あ。そういえば、奏多さんの苗字も"瀬尾"だっけ・・・。 呆然としながら二人を見比べる。
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