第3章

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正直、モデルみたいにイケメンな奏多さんと比べると、いたって普通な女の子、としか言えない瀬尾が兄妹、と言われても咄嗟には納得いかないんだけど。 「グエッ!」 「んだよっ!そういう情報は、さっさと連絡しろっつーの!」 「しょうがねぇだろっ!忙しかったんだからよっ!」 じゃれあってるヨージとシノを見ながら、瀬尾の隣に立つ。 クスクスと笑いながら二人を見ている彼女を見下ろす。 「そうなんだ」 「・・・あ、はい」 「あんまり、似てないよね」 出てきた言葉は、素直な感想。そんな俺の言葉に、少し悲しそうな顔をする。 「・・・俺は、父親似、天音は母親似・・・」 再び聞こえた声は、やっぱり不機嫌で。 そして。 今まで見たことがないような、愛しそうな目で瀬尾を見ていた。 そんな奏多さんが、意外で、なぜだか少しショックだった。 「そーすっか。」 俺はそれしか言えなくて、ヨージたちのところへ向かった。
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