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フロアへの出入り口あたりに目をやる。
あの人が見ていてくれないか、そんな期待もしながら。
でも、現実には、そんなことはない。
裏に戻って、須賀さんからのアドバイスを素直に聞く。
ふと俺たち・・・というよりも、ヨージを必死に見つめている瀬尾が目に入る。
彼女ほどわかりやすい子も、そういないかもしれない。
まったく奏多さんとは正反対。
奏多さんは、穏やかな顔をしているけど、本当のところ何を考えているのかわからない。
ライブハウスで会っても、そんなに会話をすることもないから。
それでも、彼に惹かれている自分がいる。
「タカトシたち、時間、いいのか?」
奏多さんの、心地よい声が後ろから聞こえた。
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