第1章

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バタン!と勢いよく部室の扉を開けた姉貴は、いつものごとく迫力満点。 長い黒髪を、無造作に流して入ってくるあたり、絶対、俺たち以外を意識しての登場に違いない。 たっぷりした麻のブルーのシャツに、ボタンを二つほど開けてるせいもあって、余計にわかるデカイ胸。 細身の白のパンツは、嫌味なくらいに、細くて長い脚を強調している。 そして、いつもつけてる甘い香水。 その匂いのインパクトの強さのほうが、印象に残るんじゃないか、と思うくらい・・・甘い。 「あ、兼田先輩ですかっ!」 急に入ってきた姉貴に、慌てて立ち上がって挨拶をする先輩たち。 「あ~、気にしないで~。保護者、保護者~。」 ニコニコしながら、先輩たちをスルーして、俺たち3人の前にやってきた。 「お疲れ様~!ステージ見た、見た!」 ・・・母親に今日のステージの話をしたのが失敗だった。 絶対、そこから筒抜けだったに違いない。
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