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やがては谷子は、小学校を卒業し、
中学校や高校を卒業し、
芸能界を志すようになり上京。
あらゆるオーディションの末に、アイドルグループの一員としてしごきや劣等の試煉に耐え、遂にセンターを獲得。
アイドルグループのリーダー的存在として、他方向に活躍する等多忙な日々が続いた。
谷子には、既にあの鮭のことも故郷のことも、忘却の果てになる位、日々のスケジュールに明け暮れていた。
順風満帆な日々は、続く訳にはならなかった。
暫くして、週刊雑誌での恋愛スキャンダルが発覚してグループ脱退・・・
その後、その相手と結婚後も芸能活動続けるも、つい出来心で不倫をやらかし、それも週刊雑誌にスクープされるないなや、世間の風当たりが強くなりメディアでの彼女への攻撃が絶え間なくのし掛かり、レギュラー番組やCMスポンサーも次々と降ろされ、プロダクションも辞めさせられ、遂に離婚までさせられ・・・
谷子は心身共にズタズタになっていた。
華やかな芸能界からだけでなく、社会から『追放』の身の谷子。
藻抜けの殻となって、街をさまよった。
薄暗いアパートへ帰った。
高級マンションを引き払っても、芸能界で稼いだ金銭は離婚の慰謝料やスポンサーの違約金で殆んど採られ、なけなしの金で細々と暮らしていた。
谷子はドアの郵便受けを見た。
借金取りの催促の紙に混じって、一通の葉書を見つけた。
「小学校の同窓会?」
谷子は新幹線で、生まれ故郷の北へ向かった。
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