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A『遅い』
遅刻した俺に彼女は頬を膨らませた。計算されたあざとい行動も、惚れた弱味で可愛く見える。
B『ゴメン。話って?』
A『恋人として初めてのバレンタインでしょ。でもチョコ作りすぎて選べないの』
“テヘペロ”と舌を出す可愛い武器を使われたら、ピエロと化す愚かな俺は撃沈だ。
B『全部欲しい』
A『ダーメ♪それじゃ意味ないの』
計算された拗ねる素振りも騙されてあげるよ。
B『OK』
A『よかった。はい』
B『こんなに?』
差し出された紙袋には、俺への愛で溢れている。
A『ヤドクガエルチョコにタランチュラチョコ、カツオノエボシチョコに…色々あるけど、一番の自信作はナイリクタイパンチョコね。肌の再現にこだわったの♪』
猛毒危険生物のオンパレードなのは偶然?それとも彼女に愛を試されている?そうなのか?
B『……自信作を是非』
恋する男は、ピエロさ…
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