第1章

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第1章

昔から人付き合いが苦手な私。 春川ゆかり、15歳…この春、高校に入学して早2カ月。 これといった友達も出来ず、学校を欠席する事が増えた今日この頃。 半不登校気味になるのには……そう時間はかからなかった。 一週間ぶりにやってきた教室。 私の席にだけ名前が書いてあった。 あっ……席替えしたんだ… 解るように、誰かがつけてくれたのかな…? それとも、いつもいない人の名前をみんなが覚えられるように? ………どっちだっていいや…… ここに座る私はいないも同然。 空気みたいなものだもの…… あと一時間我慢したら、保健室に言って、早退させてもらおうかな…… 窓際の席。 窓の外…青い空を見上げながら、私はいつもそんなことばかり考えていた。 繰り返される毎日。 私の出席日数は、夏を迎える前に、すでにギリギリの状態だ。 そんなある日だった…。 教育実習でやってきた岸上先生(若い男性)は…、 何故か保健室に引きこもっている、私に会いに来る。
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