33人が本棚に入れています
本棚に追加
晃が運ばれて1年が経った。
ずっと晃は目を覚まさないまま。
医者は本人の心理的なものが原因ではないかと言っていた。
俺はあれから女とは誰一人会っていない。
誰といても楽しくないんだ。
どこにも行く気になれなくて、毎日仕事が終われば晃の病室に来ている。
晃の寝顔を見つめながら、いつお前目を覚ますんだって思うんだ。
俺はやっと気づいた。
ずっと晃が好きだったんだ。
いつからなのかはわからない。
近すぎて、そこにいるのが当たり前すぎて、こうしていつ失うかわからなくなるまで気づかなかった。
晃、俺お前としたいこといっぱいあるんだよ。
俺まだお前とキスしかしてない。
頼むから、起きてくれ。
俺はもうお前がいてくれたらそれでいい。
「晃、俺はお前が好きだよ。だから戻ってこい。俺はずっとここにいるから。お前が起きるのを、ずっと待ってるから。」
そっと頭を撫でて、眠る晃の唇にキスをした。
晃が目を覚ましますようにと願いを込めて。
最初のコメントを投稿しよう!