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気がつけばいつも隣にいるやつがいる。
今でも隣にいるのが当たり前のようにそこにいて、気づけば俺は幼馴染や友情を通り越して恋愛感情を抱いていた。
気づかれてはいけない。
あいつは俺を兄弟のような幼馴染としか思ってないから。
当たり前のようにここにいるけれど、それは近くて遠い、手が届く場所にいるのに届かない。
苦しい…でも、この場所は俺の特等席だから。
どんなに傷ついても俺はこの場所を離れられないんだ。
今までずっと家が隣で部屋の窓を開けたら目の前にあいつがいて、いつでも窓から行き来できる距離で、いつもお互いの部屋に行っていた。
玄関から行きなさいと何度も親からは言われたこともある。
それでも秘密で会ってるような気分になって、あの日までずっと繰り返した。
あの日、あいつ、鹿敷悠介は同じ学校の女子を部屋に連れ込んだ。
俺は彼女が出来たんだなと思って部屋に行くのをやめたんだ。
でも、その後、連れてくる女子はいつも違ってた。
部屋で何をしてるかなんてすぐにわかった。
あいつ何してんの?
女で遊ぶやつだったか?
頭の中でぐるぐる思考だけが回っていた。
そんなことも俺にも彼女が出来た頃にはすっかり気にしなくなっていた。
悠介とは話すけれど、幼馴染であっても結局タイプの違った俺たちはお互いの付き合いが始まれば会話も殆どなくなっていた。
俺が彼女と付き合い始めて1年が過ぎた頃。
悠介は突然俺の部屋にやってきた。
元気してる~?なんて軽いノリで。
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