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悠介は酔って帰ってくるたびに俺を抱く。
そのたびに俺の心は痛みと嬉しさが混じりあう。
この腕は俺以外の人も抱きしめて、この体温は他の人も温める。
唇も身体もその全てが俺のものでもない。
この行為そのものさえ俺だけにすることじゃない。
何もかも終わって一人になって気づくんだ。
胸にぽっかり穴が開いてるようだって。
誰にも言えない思いは閉じ込めるしかなくて。
酔っている悠介に俺を抱いた記憶なんてないんだろう。
俺だけが記憶に残ってる。
俺はなんのためにここにいるの?
なぜ悠介は俺を抱くの?
俺の行き場のない思いはどうしたらいい?
それでも嫌いになれなくて、身体の繋がりさえ終わらせることも出来ない。
それでも次の日はやってきて、悠介は何もなかったかのように仕事に行く。
俺はまた何も言えずに気づかれないように大学に行くんだ。
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