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「それでだ。これ、松来さんからお前にだ」
取巻は封筒を取り出した。そのハートマークのたくさん描かれた、ピンク色の可愛らしい封筒を松来が寄越したと思うと感慨深いものがあるが、そのセレクトに深い意味が込められていませんようにと神に祈った。
「なんだこれ……めっちゃキモいな」
封筒に対する率直な感想が声に出てしまった。
「見ての通り、果たし状だ」
「どの辺を見ての通り!?」
「ほら。ここにletter of challengeって書いてあるだろ?」
「日本語で書けよ!!」
「この封筒に『果たし状』って書くのは合わねぇだろうが!デザイン性を考えろや!!」
「じゃあまず封筒選びからやり直せ!!」
できることなら、生まれたところくらいからやり直してもらいたいところである。
「内容を読み上げるぞ!」
「いや、自分で読むからいいよ……」
「松来さんに『汚い字を見られたくないから、お前が読み上げてくれ』って頼まれているんだよ!!」
「さっきから思っていたけど繊細過ぎない!?君の言う『松来さん』って、校内でも悪名高いあの松来だよね!?お互いの認識に齟齬はないよね!?」
「当然だ。さあ、読み上げるぞ」
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