2人が本棚に入れています
本棚に追加
「くそ……田中のミスがなければ!」
俺は、彼女のレナに会うために車を走らせる。
仕事が忙しくてレナに会えるのは三ヶ月ぶりくらいだ。
睡眠以外は常に仕事に追われる毎日だった。
上司に相談してなんとか残業を免除してもらいたかったが定時帰りはさせてもらえなかった。
彼女も仕事があるし、今日を逃したら、今度はいつになるかわからない。
会いたい思いと、レナに淋しい思いをさせてしまっていたという罪悪感がアクセルを踏み込む。
ポーン
……ポーン
……ポーン
数分後、携帯が数分おきにメッセージの着信を知らせてくれた。
運転中で見られない俺は、信号待ちに素早く確認する。
“今日も残業かな?”
“だよね。無理しないでね”
“昨日も遅かったの?大変だと思うけど一言ほしいな。私に心配かけたいの?(笑)”
「あ、昨日か……」
昨日は後輩の田中のミスでいつも以上に疲れたんだ。
家に帰って着替えもしないままソファーで寝てしまった。
今日だってその影響で定時帰りが出来なくなった。
レナには後で謝ろう。そう思ってハンドル片手に返信を打ってレナの家に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!