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「そんな、お礼なんて・・・」 詩織さんの心の広さに頭が上がらない。 「これからも香織を、よろしくお願いしますね」 そう言い残した詩織さんから、再び眩い光が発された。 目を瞑り再び開けた時、俺たちは佐々木さんの部屋にいた。 佐々木さんは気を失っているらしく、仰向けで倒れている。 「・・・香織、行こう」 「・・・うん」 崩れている家具を掻き分けながら俺たちは外に出た。 その後俺の部屋、『105』の床下から詩織さんの遺体は発見された。 遺体と共に発見された凶器の指紋と佐々木さんの指紋が一致。 遂に3年間放置された殺人鬼は裁きを受けることとなった。 死後3年が経った遺体は綺麗な顔をしていた。 口元は少し微笑んでいた。 それはまるで見つけてくれたのを喜んでいたかのよう。 部屋番号を偽造したのは佐々木さん。 詩織さんの遺族が探しに来るのを恐れていた故の行動だったそうだ。 ここの大家さんが佐々木さんだって知ったのは全てが終わった時だ。
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