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「ねえ圭佑。いいの?引っ越さなくても」 学食で2人、昼食を取りながら不意に話を振られた。 「あー、うん」 事故物件となった俺の部屋なので、不動産屋からも退居するならばこれまでの家賃の払い戻しも可能だと言われた。 だが、断った。 「知らない人が死んだとこだったら嫌だったけど詩織さんだし。それに、家賃が更に安くなったんだよね」 「全く、結局お金ね」 香織は呆れていたが、あれから俺の部屋に遊びに来ることが増えた。 俺が香織と付き合ったこと、その俺が引っ越した先が詩織さんのいたこの部屋だったこと。 全て偶然だったのかな。 いや、きっと違う。 全部詩織さんが引き寄せてくれたことなんだろうな。 ~fin.
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