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あれ、変なことを聞いたかな? 香織は俯いたまま話しだした。 「お姉ちゃんは3年前から行方不明なの。私達と同じこの大学に通うために家を出て、しばらくしたら全く連絡が取れなくなった。」 今まで家族の話はしたことがなかった。 それはそのお姉ちゃんのことがあって意図的に避けていたのかもしれない。 「そうだったんだ。・・・でも、なんで今それを話してくれたの?」 「実はね、この前圭佑の部屋に泊まった時お姉ちゃんの夢を見たの。でもそれは夢とは思えないほど鮮明で、何かある気がしてならなかったの」 香織のお姉ちゃん。 もしかしてそれは俺が夢で何度か聞いたあの声の持ち主・・・? 「お姉ちゃんは、もうこの世に、いないのかもしれない」 香織の声は涙ぐんでいる。 初めて俺は一人っ子であることを悔やんだ。 兄弟がいれば、香織の悲しさをもっと理解してやれただろうから。 「お姉ちゃんは私の夢に出てきた。私に願いを託した。その思いを叶えたいの」 「・・・その願いってもしかして」 「「ずっと、待ってるから。」」 「もう一度圭佑の部屋に泊まらせて?」 「あぁ、もちろん」
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