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その日の帰り、また2人で俺の部屋へと向かった。
部屋の入り口についた所で香織は部屋の番号をじっと見つめた。
「どうしたの?香織」
「私思い出したことがあるの。唯一お姉ちゃんから聞いてたこと」
香織は部屋番号から目を離さない。
「それはね、借りたアパートの部屋番号が『105』だってこと」
『105』・・・?
俺の部屋でお姉さんの身に何かがあったとしたらおかしい。
俺の部屋番号は『104』。
その時初めてこのアパートの違和感に気がついた。
「隣の佐々木さんの部屋番号は『106』。なんでこのアパートには『105』が無いんだろう?」
「待って圭佑。おかしいのはそこじゃないよ。普通部屋番号って縁起が悪いから下一桁に『4』や『9』は使わないはずよ」
その話は俺も聞いたことがあった。
確かに見たことがない。
じゃあ、なぜ俺の部屋は・・・。
香織はずっと見つめていた部屋番号に手をかけた。
ピラッーー。
めくったその中に書かれていたのはーー。
「105・・・。」
『5』の部分だけシールで隠されていたようだ。
「じゃあやっぱりこの部屋は・・・。」
香織と目を合わせ頷き合った。
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