8/14
前へ
/14ページ
次へ
その日の帰り、また2人で俺の部屋へと向かった。 部屋の入り口についた所で香織は部屋の番号をじっと見つめた。 「どうしたの?香織」 「私思い出したことがあるの。唯一お姉ちゃんから聞いてたこと」 香織は部屋番号から目を離さない。 「それはね、借りたアパートの部屋番号が『105』だってこと」 『105』・・・? 俺の部屋でお姉さんの身に何かがあったとしたらおかしい。 俺の部屋番号は『104』。 その時初めてこのアパートの違和感に気がついた。 「隣の佐々木さんの部屋番号は『106』。なんでこのアパートには『105』が無いんだろう?」 「待って圭佑。おかしいのはそこじゃないよ。普通部屋番号って縁起が悪いから下一桁に『4』や『9』は使わないはずよ」 その話は俺も聞いたことがあった。 確かに見たことがない。 じゃあ、なぜ俺の部屋は・・・。 香織はずっと見つめていた部屋番号に手をかけた。 ピラッーー。 めくったその中に書かれていたのはーー。 「105・・・。」 『5』の部分だけシールで隠されていたようだ。 「じゃあやっぱりこの部屋は・・・。」 香織と目を合わせ頷き合った。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加